米国配当株投資

このREITは13.5%利回りを保てるか?:高配当利回りに隠された真実

2020年11月04日 | マーク・リクテンフェルド

所要時間: 3分.

この記事のポイント

  1. 13.5%利回りのモーゲージREIT

  2. 収益が81%も上昇するから配当は安全?

  3. 経営陣は約束を守れるのか、それとも…


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スターウッド・プロパティ・トラスト(NYSE: STWD)の13.5%という利回りは、モーゲージ不動産投資信託、別名mREITの中で最も高いものの一つです。

(注釈:REITには大別してエクイティREITとモーゲージREIT(mREIT)の2つのタイプがあります。エクイティREITが実物不動産に投資するのに対し、mREITはモーゲージ(不動産担保ローン)もしくはモーゲージを担保とする証券(MBS:モーゲージ担保証券)に投資します。このためmREITの事業内容は債券ファンドの運用会社に近くなります。)

mREITは、短期の低金利で資金を借り、高金利で長期間貸し出すことで収益を上げています。

mREITの借入と貸付(から費用を引いたもの)の差は純利息収益と呼ばれています。この純利息収益が、私たちがmREITの配当を評価する際に用いている指標です。

スターウッド・プロパティ・トラストには29年間の実績があり、170億ドルものポートフォリオを有しています。

ウォール街のアナリストは、スターウッド・プロパティ・トラストの純利息収益が昨年の2億9200万ドルから5億2800万に81%も跳ね上がると予測しています。

これは良いニュースです。

さほど良くないニュースとしては、純利息収益が急増しても、スターウッド・プロパティ・トラストは配当を支払う余裕がないという事実です。

今年、スターウッド・プロパティ・トラストは5億4600万ドルを配当として支払うと予想されています。それは純利息収益である5億2800万ドルを上回っています。これは去年、純利息収益の2倍近くの5億3800万ドルもの配当を支払ったことに比べるとマシなのですが。

グラフタイトル;スターウッド・プロパティ・トラストは収益以上の配当を支払う

グラフを見れば、スターウッド・プロパティ・トラストが収益よりも配当支払いの方が多いとわかります。

これは持続可能ではありません。

スターウッド・プロパティ・トラストは2010年に配当を開始してから、減配したことがありません。2014年以降、1株あたり0.48ドルの四半期配当を維持しています。同社が過去、何年もの間、配当を支払えなかったことを考えると興味深いことです。

来年スターウッド・プロパティ・トラストは現実に向き合って配当を削ることになるのでしょうか?

正直、わかりません。経営陣は株主に配当を支払うためにできることは何でもすると言っていますが、数字は変えられません。配当を維持するには資金を調達するか借りてくるしかありません。

スターウッド・プロパティ・トラストの配当への取り組みは称賛に値しますが、配当の安全性にはリスクがあるとみなさざるを得ません。

配当安全性レーティング: D

あなたの投資がうまくいくことを願って
マーク


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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