トレンド投資

ビットコインの荒い値動きは落ち着くのか?

暗号資産ほど刺激的で恐ろしいアセットクラスは存在しないでしょう。

1月頃に私たちが目の当たりにした荒々しい値動きは、この状況を的確に表しています。

米国連邦準備制度理事会(FRB)の前議長であり、現財務長官のジャネット・イエレン氏の言動はパニックを引き起こしました

イエレン氏は公聴会で議員に対し、ビットコインの利用を制限する方法について模索することを提案しました。彼女は暗号資産が主に違法な資金調達に使われているとの見方を示したのです。

当時、この発言が2021年におけるビットコインの驚くべき相場の上昇に悪影響を与えたのです。

暗号資産は2日間で20%も下落し、1月1日以来の安値水準である3万ドル以下まで落ち込みました。

ビットコインの急落で底値は、当時、上場来高値だった4万1,940ドルから31%の値下がりとなったのです。

言うまでもないですが、市場でパニックと混乱が起きました。

これが命取りとなるのか

イエレン氏の発言は今に始まったことではありません。

彼女が暗号資産を支持しないことは広く知られています。

2017年当初、ビットコインの前回の高騰が終わりに差し掛かっていた頃、イエレン氏がビットコインは「安定した価値の保存手段(貨幣の価値が時間の経過にかかわらず維持されること)ではなく、法定通貨としての性質を有していない」と述べました。

また、彼女はビットコインを「非常に投機的な資産」とみなしており、波はありますが、これは否定のしようがない事実です。

暗号資産は値動きが非常に激しく、時にはその原因が明確に分からないこともあるのは誰もが知っています。

そして2018年、イエレン氏は多くのビットコイン取引が「不正で違法なもの」であると主張しました。この件については米国司法省(DOJ)の見解も一致しています。司法長官が主導するサイバーデジタルタスクフォースは、テロリストやサイバー犯罪者による暗号資産の利用を「これから起こりうる嵐の始まりに過ぎない」と表現しました。

現在、この報告書は司法省のウェブサイトから削除されているようです。

しかし、イエレン氏の見解は、主流の投資家や金融機関が何年も前から言っていることと何ら違いはありません。実際、彼女は以前から公聴会や記者会見で同様の発言をしてきました。

クリプト空間(ブロックチェーン技術が生み出した情報空間)で見られる、このような落ち着きのない反応は、このアセットクラスが動きが大きく変動しやすい理由の一つとなります。

落ち着いて進み続けること

価格の変動が大きすぎることから、単純にビットコインには手を出さないという投資家も多くいます。

1日に10%以上の値下がりが起きることに耐えられないのであれば、あなたは暗号資産には向いていないでしょう。

ビットコインとその他の暗号資産業界は2021年も強気の走りを見せると私は考えています。

しかし、この空間での値動きが大きいように、それは安易な道のりではありません。曲がりくねっていたり、くぼみがあったり、スピードを落とさなければいけないこともあるでしょう。このような障害のいくつかは、暗号資産の投資家たち自身の反応によって作り出されます。その他は、世界がデジタル通貨とブロックチェーンの可能性を享受していく過程で生まれるものです。

私は「何が何でも保有し続ける」主義ではなく、つまり、値動きの上下を一切考慮せず、そのポジションを維持し続けるタイプではありません。

どちらかというと、これまで見てきた変動性を合理的に受け止め、先を予測し、自分自身に有利になるように活かそうと考えます。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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