金融リテラシー

生命保険が必要ですか?:Bank On Yourself(あなたの銀行を作ろう)

所要時間: 4分.

この記事のポイント

  1. 99%の人が生命保険に入るべき唯一の理由

  2. 賢い投資家は損益比率を冷静に判断するべき

  3. 10年で3倍以上になる投資先とは?


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今年も、もうこんな時期だなんて信じられません。時間はどこへ行ったのでしょうか?

私は、学校に戻ることや、厳しいペナントレースや、紅葉の話をしているのではありませんよ。

9月が意味するのはまさにこのことです – 生命保険啓発月間です!お祝いの準備はできていますか?

(注釈:生命保険の支払いを受けるようなことがなかったのでお祝いしましょう、という意味です。)

私はもう20年も生命保険に入っています。妻に妊娠したと告げられた時、顎が外れるほどに驚きましたが、私が最初にしたことは生命保険を調べることでした。

私か妻の片方、もしくは両方に何かが起こった時に、子供がしっかり生きていけるようにしたかったのです。

私たちが保険会社に毎年保険料を支払うことで、保険会社は、私たちが死んだ時に多額のお金を支払うというリスクを取っています。

これまでのところ、幸運にも保険会社にとっては良い賭けになっています。契約した時、私たちは若く、健康でした。そして、私は保険会社から支払いを受けなくて済んでいることに喜んでいます。保険が有効な限りこのままいきたいものです。

それが保険の仕組みです。保険会社にもしもの時のリスクを取ってもらう代わりに、あなたは保険金を支払います。

あなたが交通事故の際に損害賠償金を支払うリスクを保険会社に取ってもらうために、あなたは保険会社に保険金を支払います。火災保険はあなたの家が全焼したり、木が倒れて家が壊れたり、その他の災害に見舞われた時に支払われます。

保険なしでは、何か悪いことが起こった時に多額の費用が発生します。保険は価値のある商品で、万一死亡した場合に備えて、定期生命保険に入ることを心からお勧めします。

しかし、それだけです。

それが、99%の人が生命保険に入るべき唯一の理由です。

定期生命保険は、保険期間がある一定の期間の生命保険です。あなたが死ねば、保険会社はあなたの遺族に保険金を支払います。非常に理解しやすく、最も安いオプションです。

残念ながら、保険業界は、実際にはほとんどの人には関係のない保険や、あるいはもっと安い保険料で同じ保証ができる保険など、あらゆる複雑な商品を作っています。


保険会社でなく、自分をあてにしよう!

数年前、「Bank On Yourself(あなたの銀行を作ろう)」が話題になりました。この時、多くの保険会社は、ウォール街はカジノのようなものだから、必要なお金を確実に手にするには終身保険を買うべきだ、と言いました。

私はカジノでギャンブルをしません。その代わりに、市場に多額の投資をしています。そこには非常に大きな違いがあります。

カジノでは、運が良ければ短期的に大きなお金を手に入れることができます。でも、長い目で見れば、確率はあなたにとって不利に働きます。あなたは負けるでしょう。

ウォール街は反対です。短期的には何が起こっても不思議ではありません。市場が暴落し、あなたの株が下落、ポートフォリオが低下する可能性があります。でも、長期的には市場は上昇します。

大恐慌以降の株式市場を10年刻みで見ると91%は上昇しています。10年単位で下落したのは唯一、大恐慌の時だけです。一時的に大きく下落したのは、リーマン・ショックの2008年から2009年の間など、何度かあります。その場合でも、3年、普通ならそれ以下で回復します。

年単位で見ても、市場は70%の確率で上昇しています。もし、シーザーズ・パレス(ラスベガスにある有名なカジノホテル)のプレーヤーの勝率が70%ならば、ラスベガスに2つ目の家を持ち、多くの時間をそこで過ごすことができるでしょう。

しかし、保険会社が言う「Bank On Yourself(あなたの銀行を作ろう)」が卑劣なのは、終身保険を投資目的に売ることです。

私は自書『You Don’t Have to Drive an Uber in Retirement(引退してもUberを運転する必要はない)』で、このように書きました。

終身保険はあなたのお金でできる最悪なことの一つです。もし、終身保険を考えているなら、保険の営業マンを彼らの好きなカーディーラーのところへ連れて行って、彼らの欲しがる車の頭金を支払ってください。少なくとも、購入したばかりの車で走り去る彼らの笑顔を見ることができるでしょう。

終身保険(や似たような保険)は高額で、たくさんのお金が営業マンや保険会社のポケットに入ります。加えて、終身保険は複雑です。終身保険は掛け捨てではないですが、その保証にはかなりのお金がかかるのです。株式市場の勝率を考えたら、おそらくあなたには終身保険は必要ないでしょう。

こういった終身保険にお金をかけるくらいなら、長期的に株式市場に投資した方がよっぽどマシです。もし、リスクを冒すことができないお金や短期的に必要になるお金なら、譲渡性預金のようなリスクの低い投資に分散することもできます。

そうすれば、あなたのお金の一部が手数料に消えたり、おそらくあなたには必要ない保険商品に使われるのではなく、全額を投資できます。

過去100年間の株式市場の年平均収益率は12.3%です。12.3%の収益率で10年複利運用したら当初資金は3倍以上になります。長期投資家にとって株式市場は、保険会社や保険営業マンに頼らなくてもうまく働いてくれます。

もし、生命保険が必要なら、定期生命保険に加入して、残ったお金を株式市場に投資しましょう。生命保険が必要なければ、株式市場に投資するだけです。「終身」という心地よい名前以外に、終身保険に加入する理由はありません。

私は保険のおかげで、夜寝ることができます。終身保険に加入して、そうすることが自分を助けることになると考えている人がいることを知れば知るほど、私はぐっすりと眠れなくなります。

高くて必要のない保険商品を購入しないでください。

あぁ、幸せな生命保険啓発月間

良い投資を
マーク


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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