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新型コロナウイルスの死、そして米国経済の再生へ

私と同年代かそれ以上の多くの人々と同様、数週間前に二回目の新型コロナワクチン接種を終えました。

ですので、私のカレンダーはどんどん予定で埋まっていき、今後数ヶ月の間にテキサス州、コロラド州、サウスダコタ州、ニューヨーク、アムステルダム、パリ、フィレンツェ、ローマなどを訪れるつもりです。

しかしワクチンを接種した友人や近所の人たちは、いまだにレストランにさえ出かけようとしません。

なぜでしょう?

彼らはメディアが流す悲惨な話をよく聞いているので、感染を恐れているのです。

ある人が私にこう尋ねました。 「ニュースを見ていないのか?パンデミックの状況は今まで以上に悪化している。それに例えワクチンを接種したとしても、新型コロナウイルスに感染する可能性があるだろう」。

彼の発言の前半は世界的に見れば正しいですが、米国に限った話では間違っています。

発言の後半は技術的に言えば正しいですが、統計的には関係ありません。

まずパンデミックについて見てみましょう。

新興国にはワクチンが届いているとはいえ、予防接種の普及に遅れが見られる発展途上国には世界の人口の約85%が住んでいるのに対し、ワクチンを接種した人の大半は先進国に住んでいます。そのためパンデミックはいまだに世界的に猛威を振るっているのです。

米国疾病予防管理センター(CDC)によると、25%以上の米国人が二回目のワクチン接種を終えています。そして1億3,000万以上の人が一回目のワクチンを接種しています(翻訳者注: 5/10現在米国人の3分の1が2回目接種を終えています)。さらに何千万人もの人がすでに新型コロナウイルスに感染しているため、自然免疫を持っています。

いくつかの地域では再び感染が拡大したり、局所的に多発したりする場所があるものの、米国ではパンデミックは終息に向かっていると思われます。

しかし全米のメディアの報道を聞いていても、そんなことは分かりません。

ワシントン・ポスト紙は4月16日の朝、「全米で猛威を振るうウイルス」についての記事を一面に掲載しました。

確かに中西部やミシガン州のように、最近状況が悪化しているところもあります。

しかし数字や写真は言葉よりも雄弁です。

年明けにピークを迎えたパンデミックですが、その後新たな感染者数、入院者数、死亡者数が実際はどのように推移しているかを表したグラフがこちらです。

注目(と広告費)を集めるために、メディアは文面を切り取り本来の事実を捻じ曲げたり、視点を歪めたりしています。

コロナウイルスの変異株が出現し、その中には元のウイルスよりも感染力が強いものがあるという記事を皆さんも一度は目にされたことがあるでしょう。実際、変異株は伝達性が高いだけであって、致死性が高いわけではありません。

現在のワクチンがこれらの変異株に対して非常に有効であることが明らかになるのは、記事の終盤になってからであり、時には全くそのことについて触れられていません。

ワクチンを接種した人が病気になったという点はどうでしょうか。

ワクチンを接種した人が新型コロナウイルスに感染したケースは、統計的にも少数ですが存在します。

ですがご安心ください。ワクチンを接種しているおかげで、新型コロナウイルスによる入院や死亡の可能性は非常に低くなるのです。

人生において完全に安全なものはほとんどありません。パンデミックが起こる前に、あなたはそのことを理解していたはずです。

例えば私たちの誰もがインフルエンザにかかって命を落とす可能性があります。実際に毎年、何千人もの人がそうなっています。

だからといってそれが私たちの普段の生活を奪うことはありません。

ワクチンを接種していれば今の生活を続けることができるのです。

メディアを改革するために何かをすべきだ、と怒った読者から手紙が届きました。

ですが憲法修正第1条で誰もが自分の意見を述べる権利を持っている米国では、それは簡単なことではありません。

たとえできたとしても、そうしたいとは思わないはずです。

私たちの住む世界は、仕事や昇進、仲間、希少資源、そして投資収益を求めて人々が競い合っています。

明らかに不完全な世界に対する、メディアの絶え間ないネガティブ評価を信じたい何百万もの人々が現金や債券を頼りにするなら、残りの私たちにとっては確かに楽なことです。

この一週間でわかったことは、

  • 3月の雇用者数は昨年8月以降で最も増加した。
  • 失業保険受給申請件数はパンデミック後の最低水準にまで減少した。
  • 3月の小売売上高は予想を上回る約10%の伸びを示した。
  • レストランやバーの売上高は過去最高の13%増を記録した。
  • 米国の工場の生産高は、過去8ヵ月間で最大の増加となった。
  • 第1四半期(1 – 3月期)の企業収益は予想を上回った。
  • 航空会社は、夏の売上高が2019年の売上高を上回ると予測している。
  • 一日に350万人の米国人がワクチンを接種し、これは過去最高である。

S&P500種指数は史上最高値を更新し、ダウ・ジョーンズ平均株価は初めて3万4,000の大台を超えました。

なぜでしょう?それは、米国経済の回復が加速しているからです

モルガン・スタンレーは今年の経済成長率を8.1%と予想しています。これは1951年以来、最も強い暦年成長となります。

2020年、私たちは史上最も厳しく、最も急速な不況を経験しました。そして今年は最も早い回復となりそうです。

これは確かに良いニュースです。

その吉報を理解し、信じ、そしてそれに基づいた行動に移しましょう。

良い投資を。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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