米国株入門

大統領選挙はあなたのポートフォリオにどんな影響を及ぼすか?:大統領選挙後の戦略

所要時間: 4分.

この記事のポイント

  1. 大統領選挙の3つのシナリオ

  2. 噂で買ってニュース(事実)で売れ

  3. あなたが取るべき行動とは?


動画で記事を読む


明日11月3日はアメリカ大統領選挙の日です。市場にはどんな影響があるでしょうか?

大統領選挙の結果にかかわらず、FRB(連邦準備銀行)は低金利を維持するでしょう。それ以外にもいろんな力が働いて株価が上がっていますが、私は2021年には株価が下がると予想しています。

複数の異なるシナリオと、その時の市場の反応を見てみましょう。


1. カオス(混沌)

一方または両方の候補者が勝利宣言をして双方が負けを認めません。結果が正式に確定するまでには数週間かかるシナリオです。

これがもっとも可能性の高いシナリオで、市場もそうなることを受け入れているようです。当然のことながら、株式市場は急落するでしょう。

しかし、この混沌とした状態のシナリオはすでに市場に折り込まれていると思います。今のところ、市場が注目しているのは低金利だけです。

このシナリオ通りになった場合、株価がさらに高値を追えるとは思えません。おそらく、多くの株が激しく動くでしょう。もしかしたら、フェイントをかけるような上下の動きもあるかもしれません。

トランプ大統領が、2021年にホワイトハウスのオフィスを出ることを拒否したら(あるとは思えませんが)アメリカは憲法上の危機にさらされ、町中で暴動が起こるかもしれません。こんなシナリオでは株価が上がるとは思えません。


2. トランプ大統領が再選する

トランプ大統領の就任以来、株式市場は52%上がっています。就任以降46ヶ月間で見れば、ハーバート・フーバー大統領以来、史上5番目の好業績です。

2018年10月から2019年6月までの一時停止(もちろん現在のパンデミックも)を除いて市場は上げ続けています。市場は明らかにこれを歓迎しています。

特に民主党が上院議席の過半数を占めた場合、市場は上昇するでしょう。市場は停滞を好みます。政治家がいろいろとやらない方が良いのです。

(注釈:大統領選挙と同時に上院の定数の3分の1と下院の選挙が行われます。現在、上院は与党・共和党が多数政党ですが、もし上院・下院ともに民主党が多数政党になると、トランプ大統領の政策に議会が反対して、思い切った政策ができなくなることを指しています。)

もし、共和党が上院の多数派政党のままであれば、これまでの調子で市場は上りつづけるでしょう。

しかし、その直後に「噂で買ってニュース(事実)で売れ」という動きが出ることを期待します。市場は人々が思うことと逆の動きをすることがあります。多くの人がトランプ再選は市場にとってポジティブなものと考えているので、一時期、市場が下落することはありえます。ですから、トランプ大統領が選挙で再選したら、安売り株を探してください。

その後に関しては、上院の与党・共和党が巨額の景気刺激策でこれ以上、国を借金だらけにすることに難色を示しています(既にプールが溢れてるのに、プールに水を入れたくないというようなものですが)。

史上最悪の四半期からの回復にもかかわらず、いまだに経済状況は厳しい状況です。毎週1,000万人もの人が継続して失業手当を申請しています。加えて、毎週100万件近い新しい失業手当の申請がされています。

一般大衆がワクチンを接種できるようになるのは早くて来年の春以降でしょうから、大きな景気刺激策がなければ、経済が早々に回復することは困難です。大型の追加景気刺激策が行われないと、2021年には株価は下落するでしょう。


3. ジョー・バイデンが大統領選に勝つ

従来の考え方からすると、バイデンは法人税の引き上げを提案しているので、彼が大統領になったら市場に悪い影響があると考えるのが普通です。しかし、ご説明した通り、株式市場は通常、みんなが右に行くと思ったら左に進むものです。

バイデンが勝ったら、市場の中の大きな動きを探してください。ウォール街は元副大統領を支持していて、バイデンのキャンペーンにトランプの5倍も貢献しています。「噂で買ってニュースで売れ」という反応は起こりうるでしょう。

バイデンが勝てば、大型の景気刺激策が実施される可能性が高くなります。加えて、米国の通商政策はより緩和される可能性があります。しかし、バイデンはキャピタルゲイン税を通常の所得税レベルに引き上げると提案しています。

その政策は少なくとも2022年までは発効されないでしょう。しかし、税が高くなる前に、低い税率で利益を出そうとする人がたくさん出ることが予想されます。2021年は、そのような人々の売りによる株式市場の下落が起こる可能性があります。

何れにせよ、大きな景気刺激策があっても経済はちょっとやそっとでは(数兆ドルくらいでは)回復しません。お金が企業の収益に反映されるには数ヶ月かかりますし、その後、ようやく雇用が回復していきます。

要点をまとめると…

選挙直後には、それまでに多くの企業が四半期報告を行い、予想よりも良い結果が報告される可能性があるので、おそらく株価は大幅に上がると思います。その後、「噂で買ってニュースで売れ」 という反応が起こるでしょう。

しかし、どちらが勝っても、2021年は難しい市場になるでしょう。

株式市場の評価はかなり高くなっています。S&P社500種指数の株価収益率は(PER) は35で、これまでの平均は15であったことを考えると高い数値になっています。多くの企業が収益を減らしているにもかかわらず、株式市場は史上最高値付近にあります。

12ヶ月間の予想PERは22となっています。今年初めに23に急上昇したことを除けば、これはドットコム・バブル(ITバブル)以来の高値です。

経済が悪く、景気刺激策が十分でない、税が上がるのかもしれないというのに過大評価しているとなると、2021年の株式市場は厳しいものになるでしょう。

今後数週間の株式市場の急上昇を利用したら、すぐにポートフォリオを守る準備をしてください。

良い投資を。

マーク


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

ちなみに…このブログで紹介している株はもちろんいいのですが、それよりもたくさんの配当を出す企業ばかりを集めて、毎月レポートしてくれて…「買い」「売り」の具体的なアクションをあなたへお届けする、「Oxford インカム・レター」はこちらからお試しすることができます。

Oxford インカム・レターをお試しする

これは、10年間平均で12%の複利成長…6年で資産2倍を狙う「配当投資」戦略です。私たちOxford クラブが軸にしている「資産形成ピラミッド」の第一段目に当たる保守的な投資のポートフォリオです。

もし、「これから資産形成をやってみようとは思っているけど、何から始めたらいいかわからない…」と思ったら、お試ししてみてください。30日間返金保証付きなので安心してお試し購読できます。

Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button