最良の投資アプローチ:集中か分散か?
- リスクを分散した長期投資型のポートフォリオは、長期的に資産形成を行うための最良の投資戦略の一つですが、時間がない場合やもっと早く結果が欲しい場合にはどうしたらよいのでしょうか?
- 今日はアレクサンダー・グリーンが、より早く結果を出す別のアプローチを紹介します。
200年以上にわたる金融の歴史の中で、長期的に資産を増やす確率が最も高いのは、株式の分散型ポートフォリオを持っていた場合だということが示されています。
それを実現する最適な方法は何なのでしょうか?
最もシンプルで簡単な方法の一つは、Oxford クラブの資産配分戦略を実施した独自の長期保有ポートフォリオを組むことです。
常々お伝えしていますが、その際に必要なのは、取引にかかるコストをできるだけ低くおさえ、賢明な資産配分を行い、その後は1年のうちのごくわずかな時間を使ってポートフォリオをリバランス(各資産についての配分の比率を計画通り修正し、ポートフォリオのバランスを最適に保つこと)するだけです。
これは特に面白味や刺激的な要素はありません。何か人に話して面白がってもらえるようなネタも生まれないでしょう。
しかしこの方法は、少しの手間と最低限の時間で、安定して、あなたの最も重要な経済的目標の達成を可能にします。
保守的な長期保有のポートフォリオは、全ての投資家にとっての資産形成の基盤であるべきです。
とはいえ、当然のことながら、一部の投資家はより多くを望みます。
貯蓄を十分にしてこなかった、取り掛かるのが遅すぎた、老後の生活に予想以上の費用がかかっている等の理由からであったり、単純に、長期投資では得られないリターンを得ることへの挑戦と満足感を求めている人もいるかもしれません。
このような人たちは、何か違うものを求めています。それは例えば、吟味された銘柄の集中型ポートフォリオです。
いつの時代も、巨額の富は分散ではなく、集中によって築かれてきました。
ウォーレン・バフェットのバークシャー・ハサウェイ (NYSE: BRK-A) での50年以上にわたる市場平均を上回るパフォーマンスは、何百もの銘柄を保有していた場合には決して実現しなかったでしょう。(それほど多くの勝ち組銘柄を選ぶことなど誰にもできません。)
また、ジェフ・ベゾスとビル・ゲイツが世界で最も裕福な人物になったのは、アマゾン (Nasdaq: AMZN) とマイクロソフト (Nasdaq: MSFT) 以外の株式に分散投資したからでは当然ありませんでした。
数ヵ月または数年でリターンを加速させる必要がある場合、最良の戦略となるのは、突出して高いリターンが期待できる銘柄に投資をすることです。
これは一体どのような銘柄を指すのでしょうか?私の経験上、それらは3つのタイプに要約できます。
一つ目は、バフェットが得意とするバリュー(割安)株です。バフェットは、経営のしっかりとした銘柄を購入します。つまり、キャッシュフローが良好で将来性があり割安で、商標や特許、ブランド名などの持続的な競争優位性を持っている企業です。そしてそれらの銘柄を、何年という単位ではなく、何十年も保有します。
これは、平均以上の長期リターンを生み出す方法として実証されています。しかし、ここで必要となる忍耐力は、多くの投資家に欠けているものです。
そして実は、バフェットは1965年にバークシャーの経営権を握って以来、市場平均を遥かに上回る成績を出した一方で、過去1年、5年、10年、15年と言うスパンで見ると、市場平均を超えるリターンを出せていません。
「長期」という言葉は、本当に長い期間を意味することもあるのです。
二つ目の成功の秘訣は、モメンタム株に注目することです。私はこれを「ステロイド剤のような成長株」と呼んでいます。
これらは、イノベーション、売上高や業績の成長、そしてポジティブサプライズ(予想外の好材料)によって市場を牽引している一部の企業を指します。(アップルやアマゾンが良い例でしょう。) 一般的に、このような企業の株価は市場全体を高値に導きます。
実証済みの戦略の三つ目は、企業関係者が購入している銘柄と同じものを手に入れることです。
考えてみてください。企業の経営者などの重役は、自社事業の将来の見通しについて、あらゆる種類の資料や非公開情報にアクセスすることができます。
開発段階の新製品やサービス、前回の四半期報告書が発表されて以降のセールスの方向性、重要な取引先の獲得や喪失に関する情報も持っています。また、会社に対して起こされた訴訟が解決しそうかどうかも分かるでしょう。
要するに、彼らは不当な優位性を持っており、外部からはおそらく知ることのできない、あらゆる情報を把握しているのです。
米国では、彼らがそういった情報を元に自社株を売買することは合法ではありません。ですがその際、何株の取引をしたかを詳細に記載した「フォーム4」と呼ばれる資料を、必ず米国証券取引委員会(SEC)に提出しなければなりません。逆に言えば、それを提出することで、自社株の売買を自由に行うことができます。
そして驚くべきことに、そのような企業関係者が自社の株を購入した場合、その企業の株価は上昇することが研究で定期的に示されています。
つまり、彼らの動きに便乗することも有意義な戦略なのです。
もちろん、短期的な利益を狙う場合、目論見が外れ手持ちの株の急落を経験することは誰しもあります。しかし大事なのは、どれくらいの資金配分で短期投資を行うのかということや、適切な引き際について知っておくことです。
今後、そういった重要なテーマについてもご紹介していきますので、楽しみにしていてください。
良い投資を。
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