インフレに打ち勝つ方法:ポートフォリオを守る3つの戦略

この記事のポイント
- インフレが迫っていると予想する理由
- FRBの方針転換がインフレに拍車をかける
- あなたのポートフォリオを守る3つの戦略とは?
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私たちは長い間、緩やかなインフレの中にいました。インフレが問題だった時のことを思い出すのも難しいくらいです。前回インフレ率が3%だったのは2011年です。
そして、物価が一年で5%上昇したのは1990年のことです。1914年以降の平均的なインフレ率は3.24%です。
今年7月の消費者物価は年率1%しか上昇しなかったので、人々はインフレについて気にもかけていません。
しかし…
連邦政府は今年6月、203年の米国の歴史の中で最も多量の通貨を発行しました。これまでに景気刺激策資金として10兆ドル(105兆円;105円/ドル換算)も承認しており、さらに増えそうな勢いです。
こんな言葉をご存知でしょう…『ここに1兆、そこにも1兆。それはすぐに現金となる。』(このジョークは本来、兆でなく十億単位で語られていますが…)
(注釈:この言葉は、米国議会での予算審議を皮肉ったもののようです。様々なところからそこそこ大きい予算が提示され、気が付いたらそれが膨大な額になってしまい、現金を準備しなくてはいけなくなることを皮肉っていると想定されます。)
私の大胆な予想
あちこちにばら撒いているお金はインフレを引き起こします。私たちはすでにそれを目にしています。株価と不動産価格の急騰がそれです。
日用品の価格でも同じことが起こると予想されます。あらゆる商品やサービスの価格が上昇します。
下の図に示す米国物価連動国債(TIPS)のスプレッドを見ると、市場はさらなるインフレを予想しているようです。
このスプレッドは10年物国債の利回りと、10年物TIPS利回りの差です。(TIPSはインフレについていく国債です。一般国債はそうではありません。)
(注釈:米国物価連動国債(TIPS:Treasury Inflation-Protected Securities)は 、米国の国債の一つで元本が消費者物価指数の動きに連動して増減する国債です。物価上昇に連動して元本が増加するため、たとえインフレが起きても、実質的な価値が低下しない国債になります。)
今年3月以降の動きに見られるように、これら2つのスプレッド(差)が上がれば、市場がインフレの上昇を期待していることを示しています。

現在のTIPSスプレッドは1.73です。これはハイパーインフレと呼ぶには程遠いですが、着実に上昇を続けていて、年平均値を上回っています。私はこの流れは続くと思います。
おそらく、インフレ率が上昇する最大の理由は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が8月27日に「インフレを許容する」と言ったことでしょう。
これまでのFRBのインフレ目標は年率2%でした。もしインフレ率が2%を超えたら、FRBは政策金利を引き上げる方針でした。
パウエル議長はその方針を変えて、インフレ率が2%を超えても利率をゼロに近いままキープすると言ったのです。
(注釈:FRBはこれまでの政策指針(年率2%のインフレ目標)を改定して「平均インフレ目標」を導入しました。これは一定期間内の数値が平均で2%になることを目指すもので、一定期間、インフレ率が2%を上回ることを容認したととらえられています。)
FRBがタイミングよく政策金利を調整したことがあるでしょうか。いつもは、政策金利の調整が早すぎたり、遅すぎたりして、インフレ率が目標を上回っていました。
FRBが政策金利の調整を行わざるを得なくなる前に、インフレ率は急騰するでしょう。そして、それは多くの人が思うより早く起こるかもしれません。
今すぐに、あなたのポートフォリオを守ってください
では急激なインフレになったら、どうやって身を守れば良いのでしょうか。
ここにいくつかのアイデアがあります。
1. TIPS:先に述べた通り、TIPSはインフレに連動する国債です。TIPSの利払いは年2回で、その利子は少額ということを理解しておく必要があります。元本がインフレ率に連動して増減するため、満期時には元本とインフレ調整額を受け取ることができます。
2. 金:黄金色に輝く金属は何年もの間インフレに対するヘッジとして用いられてきました。価格の短期的な上げ下げは大きいですが、長期的に見れば、上昇する物価にうまく追従しています。
3. 永久増配株 :これらの企業は毎年配当を上げています。年間の配当上昇率が8%以上なら、税金を差し引いてもインフレ率を大きく上回り、購買能力をあげるだけです。
AbbVie (NYSE: ABBV) は良い例です。2013年にAbbott Laboratories (NYSE: ABT) からスピンオフ(分社化)して以来、16%以上の増加率で配当を増やしています。
まだほとんどの人はインフレに注目していません。でも、気づいた時には手遅れなのです。
今日、あなたを守るために行動してください。インフレが起こっても、あなたのポートフォリオが適切に対応できるように備えるのです。
良い投資を
マーク
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少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)
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