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アレックスが注目する人物

アレックスさんは誰の意見に耳を傾けていますか?」

これは、Oxford クラブの読者の皆さまからよくいただく質問です。ですが私は基本的に他の投資アドバイザーの話には耳を傾けません。なぜなら、自分自身でデューデリジェンス(投資対象の価値やリスクなどの調査)を行い、自分のリサーチと37年の経験を頼りに結論を出したいと思っているからです。

とは言っても、私に多くの学びを与え、間接的に読者の皆さまが大金を手にする手助けをしてくれた人物が何人かいるのも事実です。

その一人がピーター・ディアマンディス氏です。

ディアマンディス氏は、経済学者でも、ビジネスアナリストでも、株を選定する人でもありません。

彼はエンジニアであり、医師であり、起業家であり、ベストセラー作家であり、現在ほぼ全ての分野で起こっている目覚ましいイノベーションの動向を把握している人物です。また、数々の企業や教育機関等の共同創設者や会長も務めています。

この紹介からはそこまで凄みを感じられないかもしれません。

しかし彼は、バイオテクノロジー、クラウドコンピューティング、ネットワーク、センサー、ロボット、人工知能(AI)、遺伝学、3Dプリント、ナノテクノロジー、ブロックチェーン、AR、VRなど、何十もの分野で開発に関わる人物なのです。

ディアマンディス氏を「テクノロジー楽観者」と呼ぶ人もいます。なぜなら、彼は科学やテクノロジー、医療の革新が、私たちをかつてない繁栄の時代へと導くと信じているからです。

ですが、私は彼を「合理的楽観者」と呼びたいと思います。彼は私と同じように、データに基づいて合理的に未来を楽観視しています。

多くの人は、失敗や挫折、さらにはパンデミックのような危機を心配していると思いますが、ディアマンディス氏が注目するのは急激なスピードで進む技術の進歩です。

そして彼は、以下の「6つのD」が、今後数ヶ月から数年の間で技術進歩を加速させると予想しています。ここで、6つのDをご紹介しましょう。

  1. デジタル化(Digitization) コミュニケーション、ニュース、知識、写真、ビデオ、音楽など多くのものが「瞬時に」世界を駆け巡ります。
  2. 潜行(Deception) デジタル領域での飛躍的な成長は肉眼では見えないので気がつきませんが、その影響は無視できないものです。
  3. 破壊(Disruption) デジタル技術は、効果を高め、コストを削減し、既存の産業を破壊して変化させます。
  4. 非収益化(Demonetization) テクノロジーが安価になればなるほど、お金の存在意義が薄れていきます。(何テラバイトもの情報や様々なサービスへアクセス出来るアプリを、ほぼ無料で無限にダウンロードすることは既に可能です。)
  5. 非物質化(Dematerialization) 電卓、目覚まし時計、CD、DVD、地図、GPS機器、ラジオ、カメラ、ビデオカメラ、ボイスレコーダーなど、今まで買っていた物理的な製品がスマートフォン一台に収まるようになりました。
  6. 大衆化(Democracy) いったんデジタル化されると、より多くの人がアクセス出来るようになります。強力なテクノロジーは、今や政府や大企業、超富裕層だけでなく、全ての人のものになりました。

さて、これらの6つのDは、株で利益を出すことに関係があるのでしょうか?

実は、大いに関係があります。

市場でより高いリターンを得たいのであれば、経済や市場の先を読もうとするのはやめて、代わりにビジネスについて考えてみましょう。特に考えて欲しいのは、素晴らしいイノベーションを起こしている企業についてです。

読者の皆さまの中には、2021年に入ってから様々な企業で、10%以上やら100%以上やらの利益を出している方もいます。

その企業には、ペイパル (Nasdaq: PYPL) 、ジェンマブ (Nasdaq: GMAB) 、ジロー・グループ (Nasdaq: Z) 、テラドック (NYSE: TDOC) 、フランチャイズ・グループ (Nasdaq: FRG) 、ゲス (NYSE: GES) 、スティーブン・マッデン (Nasdaq: SHOO) 、スマイルダイレクトクラブ (Nasdaq: SDC) 、ライブ・オーク・バンクシェアーズ (Nasdaq: LOB) 、カードリティクス (Nasdaq: CDLX) 、リンドブラッド・エクスペディションズ・ホールディングズ (Nasdaq: LIND) 、カリックス (Nasdaq: CALX) といった企業が含まれます。

これらの企業は各分野を牽引する最先端企業ですが、科学技術だけが魅力ではありません。10%以上の売上成長率、市場シェアの拡大、事前予想を上回る業績、高い自己資本利益率(ROE)、新製品や新サービス、手厚い制度的支援、強力なテクニカル指標を持つ傾向があります。そして、このような企業が、利益成長と値動きの両方で市場をリードするのです。

もう一つ重要な点としては、ピーター・ディアマンディス氏も言っていることですが、このような企業は、私たちをより健康的で、より環境に優しく、より安全で、より豊かな世界へと導いています。

そして、このような企業は「モメンタム株」つまり、一度火がついたら一気に株価が上昇する株であることが多いのです。

私たちはこのような「モメンタム株」をタイムリーにご紹介する投資分析サービスを日本で提供する準備を進めています。

良い投資を。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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