任天堂を超える ゲーム企業が登場する？

宮本茂という人物をご存知でしょうか？

彼のファンの中では彼に会ってサインをもらうために、何日も歩道で寝泊まりする人もいます。

同業者の3分の1が彼を「究極のヒーロー」に挙げているのです。

そして宮本氏がステージに上がると、大歓声が沸き起こります。

しかし、宮本はミュージシャンではありません。

彼はビデオゲームのデザイナーなのです。

そして、任天堂の取締役でもあります。

彼はこれまで見てきた中で最も象徴的なビデオゲームデザイナーと言えるでしょう。

しかし、ビデオデザイナーは彼だけではありません。

シド・マイヤー、ウィル・ライト、坂口博信、横井軍平など…

数えればきりがありません。

1987年からこの業界で働き、ゲームで数々の賞を受賞した私の兄でさえ、ファンページを持っている程です。

マグナボックス・オデッセイが発売された1972年以来、ビデオゲームは私たちの生活の中心と言えるほどの娯楽となっています。

それは、ゲーム機、PC、携帯電話など多岐にわたります。

現在、ビデオゲーム市場の規模は2,823億ドル。

そして、2027年には3,632億ドルに成長すると予想されているのです。

この要因は成長につながる技術革新と開発が急増しているからでしょう。

そして、今ある画期的な技術がその先頭を走っています。

1,500億ドルのチャンス

2022年11月30日、OpenAIはChatGPTを立ち上げました。

これにより、人工知能（AI）を一般人でも簡単に利用できるようになったのです。

それ以来、生成AIの計算需要が急増し、前例のないほど起業家の活動が活発化しています。

そして、各企業の株価もそれに伴い急上昇しています。

例えば、OpenAIに130億ドルを投資したマイクロソフト (Nasdaq: MSFT) の株価は83％上昇。

マイクロン・テクノロジー  (Nasdaq: MU) の株価は141％上昇しました。

そして、ご存知の通りAI半導体メーカー、エヌビディア (Nasdaq: NVDA)  の株価は653％も急騰したのです。

同じAI半導体メーカーのスーパー・マイクロ・コンピュータ (Nasdaq: SMCI)  の株価も875％上昇しました。

そして、ダウ平均株価、S&P500、ナスダック、日経平均株価も史上最高値を更新しています。

しかし、これはまだ序章に過ぎないかもしれないのです。

ChatGPTの登場からおよそ2年の間に、大規模言語モデル（LLM）はテキスト、画像、動画、3D資産の生成プロセスを根底から覆しました。

それらは、倫理的な議論やインターネット上での言論戦争を引き起こしているだけでなく、企業のコスト削減にも役立っています。

これは高インフレの時代には必要不可欠なものと言えるでしょう。

しかし、AI市場は2023年の3000万ドルから2030年には1500億ドルにまで成長すると予測されています。

およそ、5倍以上です。
 

 
もちろん、これにはReplikaで見つけられるような、NSFW (Not safe for work)*といった安全ではないものも含まれています。

このアプリはAIと会話をすることができる、AIチャットアプリです。

このモバイルアプリには、ピーク時には250万人の月間アクティブユーザーがいました。

また、2024年3月までにこのサイトが、風俗サイトOnlyFansの市場シェアの14.5％を占めたことは注目に値すると言えるでしょう。

しかし、このようなAIチャットアプリ最も広く採用されるのは、恋愛や孤独のためではないでしょう。

なぜなら、これは30年以上にわたって活況を呈している業界からもたらされているものだからです。

1990年代から、コンパニオンを中心としたゲームに対する大きな需要があったからです。

ポケモンは300億ドルを売り上げています。

エレクトロニック・アーツ は「ザ・シムズ 」（ウィル・ライト作）を2億本以上販売しました。

Roblox の「Adopt Me！ 」は、360億回のアクセスを記録しています。

バンダイの「たまごっち」は世界で9100万個以上売れました。

そして、ゲーム業界は、生成AIの力を活用しながら、このジャンルを再び取り入れようとしているのです。

すでに、「エルダー・スクロールズ」、「スカイリム」、「スターデュー・バレー」、そして「スターデュー・バレー」などが登場しています。

「スカイリム」、「スターデュー・バレー」、「Cyberpunk 2077」のコミュニティは、インテリジェントなノンプレイヤーキャラクター（NPC）のコンピューターゲームを導入しています。

また、RobloxやUnity では、ゲーム開発者が生成AIモデルをゲームに取り込むことができるようになっているのです。

今のこのような状態を1970年代初頭のビデオゲーム業界と比較してみましょう。

当時はコンピューティング・パワーやグラフィックスの制約から、家庭で本格的なアーケード・スタイルのゲームを楽しむことは難しい状態でした。

そのため、テキストや表計算のゲームが多かったのです。

実際、1975年には、発売されたアーケードゲーム以外のゲームの半数以上が、テキストやスプレッドシートを使用しています。

しかし、10年も経たないうちに、そのジャンルはほとんど無くなりました。

これは任天堂のスーパーマリオブラザーズといった登場のおかげでしょう。

さて、消費者向けの生成AIは、1970年代初頭のビデオゲーム業界と同じような段階にあります。

そして今、新たな支配的プレイヤーが誕生しようとしているのです。

さらに、AIチャットアプリのニーズは今、高まっています。

2003年から2022年にかけて、米国の消費者が孤独に過ごす時間は40%増加し、1日あたり7.4時間となりました。

日本では、男性の4分の1近く、女性の15％以上が親しい友人がまったくいないと回答しています。

また、日本の成人人口の約3分の1が社会的に孤立していると言われているのです。

これは、AI導入の次の波であるAIチャットアプリにとって良いトレンドと言えるかもしれません。

この産業は10年後までに5倍以上に成長すると予想されています。

もちろん、AIによる恋愛やAIによるNSFWなことが出てくる懸念があります。

しかし、私たちはすでに、この種のビデオゲームに対する需要がどれほどあるのかを目の当たりにしています。

まもなく、宮本茂、シド・マイヤー、ウィル・ライト、坂口博信らと並んで、新たな名前が刻まれることになるでしょう。

新たなエンターテインメントに革命を起こす者が、巨万の富を手にすることになるでしょう。

マシュー・カー

P.S.

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