トレンド投資

このeスポーツ会社は次のAmazonになるのか?

私は長年にわたり、投資家はアマゾン(Nasdaq: AMZN)を単に電子商取引(Eコマース)の成長のためだけに買うべきではないと主張してきました。

アマゾンの真の収益源は、クラウドサービスセグメントのAmazon Web Services (AWS)であり、それは現在も続いています。私は、これが同社の兵器の中で最も強力なツールであり、ここで生み出された利益は株価を月にまで上昇させるだろうと述べてきました。

 さて、2020年の第3四半期(7 -9月期)、アマゾンは1株あたり純利益(EPS)12.37ドルを発表しました。これは前年同期比192%の増加でした。そして、同社が計上した31億5,000万ドルの営業利益のうち、22億6,000万ドルはAWSからのものでした。 

アマゾンのクラウドサービスとウェブホスティング部門は現在、同社の総売上高の12.5%を占めていますが、総利益では62%以上の比率になります。

これは投資家にとって大きな授かりものとなっています。過去5年間で、クラウド市場でのアマゾンの優位性が高まるように、株価は3,300ドル以上、465%以上急騰しています。

この実績は、ナスダックの2倍以上であり、S&P500の5倍近くもあります。

今、アマゾンの株が100ドル、200ドル、500ドル、さらには1,000ドルで「過大評価されている」と文句を言っていた投資家たちは、この機会を逃したことに後悔しています。

 しかし、この高価な見逃しを正すチャンスがあるかもしれません。

6つの株を1社の価格で

アマゾン と イーベイ (Nasdaq: EBAY) の電子商取引プラットフォームと エレクトロニック・アーツ(Nasdaq: EA) と アクティビジョン・ブリザード (Nasdaq: ATVI) のオンラインゲーム・プラットフォームを組み合わせることができると想像してみてください。

そして、さらに一歩進んで、ペイパル (Nasdaq: PYPL)とスクエア (NYSE: SQ)のモバイル決済機能を追加します。

さて、これらの企業の株式を1株ずつ購入すると、合計4,075ドルの費用がかかります。各社から1株を保有するだけでです。

もし、これらの企業が1社にまとまれば、複数の企業の株を保有する代わりに、1株だけの購入で済みます。 

そして潜在的な成長を一箇所に集中させることができます。

それがシー(NYSE: SE)で可能です。

この電子ゲームおよびマルチメディア企業は、東南アジア広域に焦点を当てています。インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ、ベトナムです。

これらの国を合わせた人口は5億8,500万人。また、この地域には3億1,500万人のインターネットユーザーと2億3,700万人のスマートフォンユーザーがいます。 

これは巨大な市場チャンスであり、独占競争が繰り広げられています。

多くの投資家がグローバルな電子商取引について考えるとき、2つの企業に注目する傾向があります。アマゾンと中国の電子商取引大手アリババ(NYSE: BABA)です。

 確かに、これらの企業はどちらも素晴らしい世界的大企業です。

しかし、シーは東南アジアを代表するインターネット企業であり、最大のデジタル・エンターテイメント・プラットフォームです。

そして、そのストーリーは数年前のアマゾンと似ていると思います。

小売業の歴史…デジタル・コンテンツは王様だ!

シーは東南アジア最大の電子商取引プラットフォーム「Shopee」を所有しています。

第3四半期(7-9月期)には、東南アジアと台湾でダウンロードされたショッピングアプリで第1位、世界では第2位のダウンロード数を記録しました。

シーの電子商取引事業は、多くの注目を集めています。それもそのはずです。第 3 四半期の同社の電子商取引売上は 173%増の6億1,870万ドルに到達しました。

しかし、シーの株が魅力的な理由はそれだけではありません。実際、同社の電子商取引部門は、1注文あたり0.41ドルの損失を計上しています。

アマゾンと同様に、シーの株を好きになる理由は電子商取引だけではありません。 

さて、ここ数年、私たちが取り上げてきたトレンドの一つがeスポーツです。そして2019年秋、2025年に向けて注目すべきセクターの1つとして挙げました。

 eスポーツはある意味まだ初期段階です。2025年末までに約30億ドルの市場価値になると予測されています。

しかし、世界の一部の地域では、eスポーツの見通しはさらに明るいです。そして、このセクターは、東南アジアでは特に人気が急上昇しているため、魅力的なチャンスとなっています。

シーはこの地域で最大のeスポーツ運営会社であり、イベントのライブ配信を行っています。

同社のガレナ(Garena)プラットフォームを使用して、プレイヤーはモバイルゲームやPCゲームを利用することができます。また、シーは最近、ラテンアメリカと東南アジアで最高収益を記録したフリーファイア(Free Fire)を発売しました。 

第 3 四半期の シーのデジタル・エンターテイメントの成長率は 「たったの」109%に過ぎませんでしたが、売上は 9億9,470 万ドルに到達しました。さらに重要なのは、このセグメントでユーザー1人当たり1.70 ドルを達成したことです。 

これが収益源です。シーはこの機会を利用して、さらに多くの分野に進出しようとしています。

同社は最近、インドネシアの PT Bank Kesejahteraan Ekonomi 銀行を買収しました。これは、この地域で最も支配的なフィンテック企業になろうとするシーの動きの一環です。この地域では十分なサービスが提供されていないため、デジタル・バンキング資産強化への競争が繰り広げられています。

デジタル化が進む世界において、シーは多面的なオンラインの強豪であり、他の追随を許さないほどの資産ポートフォリオを有しています。そして、その成長も無視できません。

2019年、同社の売上は178%増の29億ドルに跳ね上がりました。 

2020年の決算時には、シーは51億4,000万ドルの売上を報告すると予想されています。そして2021年に、この東南アジアのデジタル巨大企業は76億ドルの売上高を発表すると予測されています。

シーは今や東南アジアで最も価値のある企業の一つとなっています。それが時価総額はアマゾンの10%以下、アリババの約5分の1にも満たないにもかかわらずです。

今後1年間は、新興市場が先進国を上回るはずです。そして、東南アジアほど魅力的な可能性を持ち合わせている地域はあまりありません…そして、シーほど魅力的な企業もあまりありません。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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