トレンド投資

2021年の最も熱いセクター、買い時は今

新型コロナウイルスの感染者数がまたしても急増しています。

アメリカでの入院者数は過去最多を記録しました。

米国食品医薬品局(FDA)の前長官、スコット・ゴットリーブ医師は、状況は悪化の一途をたどっていると警鐘を鳴らしています。同氏は、アメリカでの新型コロナウイルスによる死者は1月までに1日当たり4,000人に達すると予測。

一年の中で最も心躍るはずの時期ですが、見通しは厳しいままです。

それでも、希望はあります。

先日、ファイザー(NYSE: PFE)とモデルナ(Nasdaq: MRNA)の新型コロナウイルスワクチンがFDAに承認されました。この2社は今年中に3,500万人分の接種量を確保すると見込まれ、その後の2021年には供給量を増加させます。

これは非常に大きな第一歩です。

ダウ平均株価、S&P 500、ナスダックは先日、これらのワクチンへの希望を背景に史上最高値を更新しました。

しかし、経済は明日すぐに再開するわけではありません。非常に厳しい数週間が待ち受けているはずです。そして、今後の明るい未来に向かって私たち自身の態勢を整えるためのチャンスがやってくるでしょう。

危機に瀕した中でのチャンス

回りくどい言い方はやめておきましょう…アメリカ経済の広い範囲で、2020年は破滅的なものでした。

カリフォルニア・ピザ・キッチン、チャッキーチーズ、ルビー・チューズデイ、シズラーなど、いくつもの全国的なレストランチェーンが破産を宣言しました。

実際には、これらの企業の多くは、何年ものあいだ衰退に向かって転落し続けていました。新型コロナウイルスは彼らの崩壊を加速させただけに過ぎず、長くゆっくりとした最期にとどめを刺したのです。

しかし、これらはチェーン企業です。この数字には、パンデミックによって倒産した11万軒を超えるレストランの数は含まれていません。それらを含めると、アメリカの飲食店の実に6軒に1軒が破綻したことになります。

今年は、航空会社、クルーズ船業者、映画館、テーマパークも壊滅的な打撃を受けました。

有名企業のほとんどは、現在まで赤字です。ここ52週間の最高値は言うまでもなく、2020年の始値を25%下回っています。

しかし長い目で見れば、私はこの状況下でも有益かつ興味深いチャンスがあると考えています。

さあ、足を踏み入れてみましょう

ワーナー・ブラザースは、2021年の全劇場作品を動画配信サービスのHBO Maxで同時公開する計画を発表しました。この動きは、決して映画業界の将来を後押しするものではありません。

最初の作品となるのは、12月25日公開予定の『ワンダー・ウーマン 1984』です。同社の2021年のリストには、『DUNE/デューン 砂の惑星』、『マトリックス4』、テレビドラマ『ザ・ソプラノズ 哀愁のマフィア』の前日譚を描いた『The Many Saints of Newark(原題)』など、17本の主要作品が並びます。

この試み自体は、AMCエンターテインメント・ホールディングス(NYSE: AMC)とシネマーク・ホールディングス(NYSE: CNK)へのとどめの一撃にはならないでしょう。しかし、確実な打撃です。

私は、今こそ映画チェーンが合理化を図り、高すぎる売店商品への依存をなくしていくべき時だと信じています。

まだ最期の宣告をすることはできないのです。

テーマパークを運営するシダー・フェア(NYSE: FUN)とシックス・フラッグス・エンターテインメント(NYSE: SIX)についても同じことが言えます。もちろん、今はジェットコースターに乗るために人混みの中に出かける人などいません。しかし、ワクチンが広く実用化されるようになれば、それも間違いなく可能になります。

その際には、航空会社も再び混雑するでしょう。

今年、私たちはほとんどの時間を自宅で過ごし、スクリーンやモバイル機器を通して遠くから世界を眺めてきました。この状況に応じて、主要な航空会社はパンデミックのピーク時には運航ルートを約90%も削減しています。

さらなる悲劇として、いくつもの航空会社が破綻しました。今、この業界は赤字で荒れ果て、怖いもの知らずの投資家たちだけが参入しています。

しかし、周りの人々が恐れをなしている今こそ、貪欲になる時です。イノベーションとタイミングが私たちに味方してくれています。

市場は史上最高値を記録しており、安価で取引をする機会などほとんどないようにも感じます。ところが、航空会社、クルーズ船、映画会社、テーマパーク企業はまだ残っているのです。

投資家は新型コロナウイルスの感染収束が近づいていることを知りつつ、大幅な割引で株を購入することができます。客足が戻れば、来年これらのほとんどの企業の収益は急増するでしょう。

だからこそ、2021年の最も熱いセクターに足を踏み入れることを恐れないでください。

ハイリターンを願って。
マシュー・カー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

関連する記事

Back to top button