トレンド投資

新学期商戦に強い銘柄:投資家が知っておくべきこと

私が一年の中で好きな時期に差し掛かっています。私がこの時期を好むのは、秋が好きだからとか、かぼちゃのスパイス味のお菓子がたくさんあるからというわけではありません。冬が好きだからでもないです。

私がこの時期を好きな理由は、私のようなトレンド投資家にとって最も多忙な時期だからです。また、パンデミックは猛威を奮ったものの、世界は依然としてまわり続けています。人々は生活を順応させ、前に進んでいます。私たちはその様子を幾度も目の当たりにしてきました。

だからこそ、2020年の下半期(第3四半期、第4四半期)には、大きく支出され、投資家は十分報われると、私は信じています。 


もう一つのBTS

K-POPは近年爆発的な人気を誇っています。PSYの『江南スタイル』は氷山の一角に過ぎませんでした。

数週間前には、K-POP界のスーパースターであるBTSが新曲『Dynamite』のミュージックビデオを公開し、YouTubeの視聴記録を塗り替えました。このビデオは、公開から24時間で1億100万回以上の再生回数を記録したのです。

BTSは世界的な現象となっていますが、今日はもう一つのBTSの話をしたいと思います。

もう一つのBTSとは、「Back to School(新学年)」のことです。米国では9月中旬から新学年が始まろうとしているが、例年とはまるっきり違うものになるでしょう。(※ 欧米では日本と違って9月から新学年が始まります。)

授業がオンラインに移行している中では、洋服を新調することは最優先事項ではなくなるかもしれません。しかし、心配無用です。なぜなら、洋服に費やされるはずだった米ドル、そしてより多くの米ドルが他で費やされているからです。

実際のところ、全米小売連盟の予測によると、BTS(Back to School)に関連する支出は最高額340億ドルで着地する見込みです。この数字は、2012年の303億ドルという歴代最高額をはるかに上回っています。

さらに、「Back to College」による支出も677億ドルに達すると予測されており、こちらも過去最高を記録することになるでしょう。両者を合わせて1,000億ドルを超えるのは史上初となります。

イートインでの外食、映画館などの密集した施設は新型コロナウイルスによって駆逐されました。しかし、記録的な上昇に拍車をかけている領域もあります。とりわけ、BTSに関してはその傾向が強く、そして、この傾向の中で明確な勝者が生まれることになるでしょう。


BTSとその先

BTSによる記録的な支出の真の原動力は、授業のオンライン化に伴い、ラップトップ、PC、モバイル機器、ウェブカメラ、マイクなどの電子機器の需要が膨大になったことによるものです。

アマゾン(Nasdaq:AMZN)は、世界的なパンデミックの中で最大の勝者であることは間違いありません。そして、アットホーム・グループ (NYSE:HOME)エッツィ (Nasdaq:ETSY)ウェイフェア(NYSE:W) などの eコマースを牽引する他の企業もオンラインの波に乗っています。しかし、 BTSの波だけでなく、来たる年末・クリスマスシーズンの支出により、他の多くの企業にも恩恵がもたらされるでしょう。

ベストバイ(NYSE:BBY)の第2四半期の業績は、売上が5.8%増の99億ドルという刺激的な結果となりました。同社は、6月中旬に店舗をリニューアルオープンし、売上は前年比16%増となりました。また、オンライン売上は3倍以上の伸びを示し、米国全体の売上の53%を占めています。同社の歴史上、オンライン売上が最も多かった四半期となりました。

しかし、これらの数字の異なる側面にも注目しなければなりません。

リーマンショック後の数年間、主要な小売業者は、グッドウィルなどの中古品店を相手に生き残りをかけた戦いに身を投じてきました。
アットホーム・グループファイブ・ビロウ(Nasdaq:FIVE)のような非専門のマーチャンダイザーは、すでにスピードを上げ始めています。外出自粛要請の影響でファイブ・ビロウの売上は下落しているものの、店舗の9割は営業を再開しました。

また、日本のパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(ADR:DQJCY)が運営するディスカウントストア、ドン・キホーテが人気急上昇中です。先週の木曜日には市場全体が下落したものの、注目すべきは、ファイブ・ビロウの株だけでなく、コールズ(NYSE:KSS)メイシーズ(NYSE:M)など、私がこの時期にターゲットにする傾向のある他の小売業者の株価がトレンドに逆らった点です。

個人消費は米国の国内総生産の70%以上を占めています。しかし、それは一年を通して均等に広がっているというわけではありません。その多くは、BTSや年末・クリスマスを含むホリデーシーズンがある第4四半期に集中しているのです。

さぁ、準備万端でショータイムを迎えましょう!BTSと同じようにホリデーシーズンの支出の波が目前に迫っているのです。選ばれし小売業者の株価は爆発することになるでしょう。

あなたの投資がうまくいくことを願って。
マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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