トレンド投資

小型株は2021年は堅調にアウトパフォームする傾向

景気後退、株価急落、破綻時は必ずと言っていいほど、小型株が最大の打撃を受けがちです。

小型株は一般に「最前線のビジネス」と呼ばれています。こういったビジネスの多くは、売上を国際市場ではなく国内経済に依存しています。 そして、アメリカの消費者が新型コロナウイルスのようなブラックスワン(市場でほぼ予測不可能かつ実際に起きた時の影響が大きい事象のこと)に襲われるとき、小型株が最も影響を受けます。

2020年を振り返ると、ラッセル2000インデックス(編集部注:ベンチマークとして使用されることも多い、アメリカを代表する小型株指数)は、より大規模な同業者よりもはるかに急落したことがわかります。

小型株は、3月の最低値で40%以上も価値が下落し、その後、他の株価と同様に回復しました。

しかし、グラフからわかるように、ラッセル2000インデックスは年間の大半の期間は大型株を下回りました。

しかし、流れは変わりつつあります。 投資家はこの流れに注意深くアンテナを張るべきです。

小型株で大きな利益を狙おう

アメリカ国内の空気感が変わり、ここ2、3ヶ月で小型株への劇的な変化がありました。

米国経済がこれまで考えられていたよりも早く全面的に再開することは、楽観的だという見方が高まっています。

ワクチンの普及は、未だ満足いくものではありません。 しかし、私たちは今、新型コロナウイルスとの戦いに勝っています。現在、2,800万人近くのアメリカ人が少なくとも1回の新型コロナウイルスのワクチンの接種を受けています。 これは、米国の人口の8%以上に相当し、その人数は米国の新型コロナウイルス感染者数以上に相当します。新たな陽性の新型コロナウイルス症例件数の割合も、特に高齢者の間で、全国で急激に減少しています。

次に、新政権が発足しました。 そして、民主党が下院、上院、ホワイトハウスを支配している状況下で、財政刺激策に対する障害は多くないでしょう。

先日も、上院が1兆9,000万ドルの新型コロナウイルス救済案を51対50で承認しました。 下院でも承認されるでしょう。

この巨額の救済案が承認される事への期待に後押しされ、11月以降、小型株は持ち直しました。

過去6ヶ月で、ラッセル2000 インデックスは46.5%近く、急上昇しました。

これは、ダウジョーンズ工業株30種平均やS&P500インデックスのほぼ3倍です。 また、同期間のナスダックの2倍です。

だが、ご覧のとおり、米国大統領選挙以降、小型株の上昇は急激に加速しています。 この先、しばらくは減速しないと見られます

好調は続く

小型株は後退局面に入ったとき、大打撃を受けるでしょう。しかし、回復時の上昇はそれを補うほどのものです。 率直に言うと、こういった株価は下落した時より早いスピードで値を戻します。

そして不況から抜け出すとき、その勢い(モメンタム)は続きます。 それは、1980年以降、不況後の12ヶ月でラッセル2000インデックスがS&P 500を平均して10.1%上回ったことからもはっきりとわかります。 その数字は景気拡大後の2年間では平均12.5%に増加します。

企業の財務状況の観点から見ても、小型株にはさらに多くの利点があると信じるに足る理由があります。今年、S&P500種指数での業績は23%増と予測されているなか、ラッセル2000インデックスの業績は150%増と予測されています。

小型株は網羅し、投資しておきたい株です。2020年の最初の10ヶ月間でこれらの素晴らしい成長株は大型株を下回りました。しかし、小型株はここ数ヶ月で再び活気づき、失われた時間を埋めるように株価は上昇しています。過去のパターンから見ると、このアウトパフォーマンスは2021年を通して続くと予想できます。

したがって、今年大きな利益を求めている投資家は、小型株を考慮に入れるべきです。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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