トレンド投資

ビットコインが現実的に目指す価格とは?

かなり前のことですが、キャメロンとタイラーのウィンクルボス兄弟が、フェイスブック (Nasdaq: FB) の最高経営責任者 (CEO)であるマーク・ザッカーバーグ氏を訴えました。

この双子兄弟は、シリコンバレーのテック大手企業の共同創業者であるザッカーバーグ氏が、ソーシャルメディア・プラットフォームのアイデアを盗んだ、と主張しました。

2011年、裁判所は賠償金としてウィンクルボス兄弟へ6,500万ドルを支払うよう、ザッカーバーグ氏に命じました。ザッカーバーグ氏の資産とフェイスブックの時価総額は、数十億ドルはあったので、この額はパンくずに過ぎないと周りから嘲笑されました。

しかし、2013年、ウィンクルボス兄弟は賠償金のうち1,100万ドルをビットコインに投資しました。すると、世界最大のビットコインのポートフォリオを築き、当時の市場全体の1%を保有することになりました。

現在では、その1,100万ドルは10億ドル以上の価額に変貌しました。

ビットコインは過去12ヶ月で急騰しました…私の予測通りです。

この1年で、ビットコインの価格は545%も急騰しているのです!それは2月21日につけた史上最高値、5万8,332ドルから下落した後のことです。

にもかかわらず、ビットコイン市場は9,500億ドル以上を維持しており、その額はFacebookの市場価値よりも高額です。

しかし、ここからさらに上昇する余地はあるのでしょうか?

由々しき問題

2020年11月に、私はビットコインの上昇が2021年も続く、と述べました。

原則的には、4年ごとに起こる半減期の後、2年間の上げ相場が引き起こされています。そして過去を振り返ると、上昇局面の2年目には、平均して数百%の利益が押し戻されてきました。

また、実際にビットコインを丸ごと保有する投資家の割合は非常に少ない、と以前申し上げましたが、それこそが1BTCを丸ごと購入する最大の理由の一つなのです。

ということで、次なるビットコインの価格の上昇は、一部ではこの現象によって引き起こされることになるでしょう。

現時点では、ビットコインの「クジラ」 (1,000BTC以上を保有するウィンクルボス兄弟のような投資家) が全発行総量の42.56%を保有しています。これは非常に利益の上がる構成であり、過去に「クジラ」が暗号資産の供給量の43%を操作した時、価格が急騰しました。

その上で、私たちは潜在的に大きなスクイーズに直面していると言えます。

「クリーン」なコインのスクイーズ

現在の暗号資産市場は、4年前とは大きく異なります。

現在、ビット・デジタル (Nasdaq: BTBT)、ハイブ・ブロックチェーン・テクノロジー (OTC: HVBTF)、マラソン・デジタル・ホールディングス (Nasdaq: MARA)、ライオット・ブロックチェーン (Nasdaq: RIOT) 等のマイナー企業は、「本物のビジネス」および投資機会として認識されています。

同時に、ゴールドマンサックス (NYSE: GS)、グレースケール・ビットコイン・トラスト (OTC: GBTC)、マイクロストラテジー (Nasdaq: MSTR)、テスラ (Nasdaq: TSLA) 等の大規模な買い手が、ビットコインに数十億ドルを注ぎ込んでいます。

これは、過去数年では例の無いことでした。

この動きによって、ビットコインの流通量の推移(過去30日間のコイン流通量の推移)がマイナスになる状況が生み出されています。そして、この1年、流通量はマイナスであることがほとんどだったのです。

つまり、これはビットコインの需要が供給を上回っていることを意味します。

これは、どんな資産であっても上昇する破壊的状況で、特に2,100万BTCという限られた供給量しかないデジタル通貨にとって尚更です。

2016年にこれに似た状況 (2020年5月の半減期の前の半減期) がありましたが、その際は2018年までずっと大規模な反発が見られました。

現在、再び歴史が繰り返されています。

約400万のビットコインが絶え間なく流通しており、基本的に全て、購入、売却及び取引のためのものです。現在の暗号資産の総供給量は、1,868万BTC(2021年4月19日時点)です。

そのため、より多くの機関投資家や個人投資家が、デジタルウォレットや、グレースケール・ビットコイン・トラスト等の代行業者を介してビットコインに参入するにつれて、流通している供給量に大きな圧力がかかっているのです。

しかし、この問題はさらに一歩先を行っています…

機関投資家は、半減期のお陰でビットコインが採掘されるスピードよりも早く購入しています。

ご存じのように、4月14日にナスダック市場に上場したコインベースや他の評判の良い取引所は、機関投資家にとって、ビットコインの売買に適したプラットフォームなのです。というのは、コインベースが、完璧に精査された事業者からのビットコインのみを許可しているからです。こういったコインは「クリーン」であり、ハッカー、ランサムウェア、盗難、他のダークウェブ市場から来たものではないということです。

その結果、機関投資家が精査されたクリーンなコインの価格を上げ、それがビットコインの価格を全体的に押し上げています。

こういった理由で、ビットコインが上場し続ける破壊的状況が引き起こされるのです。投資家達は、6万ドルや7万5,000ドルではなく、10万ドルを狙っています。

もちろん、暗号資産が高値をつけ、より多くのメディアの注目を集め、新しい投資家を引き付けることになれば、ビットコインの上げ相場は勢いを増していくでしょう。

ハイリターンを願って。

マシュー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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