トレンド投資

ポートフォリオに加えるべきスナック菓子メーカー

パンデミックが始まって以来、口いっぱいに食べ物を頬張っているアメリカ人を目にする機会が増えました。

自粛期間中のこの傾向は、投資家にとって大きな収益のチャンスとして取り上げられ、統計値も非常に満足のいくものとなっています。

フリトレー(アメリカのスナック菓子メーカー)の最新スナック指数によれば、パンデミック以前と比べて、家にスナック菓子をストックしている人の割合は66%多くなりました。

アメリカ人の63%が退屈なステイホームで一息つくためにスナック菓子を食べ、更に、76%の人は自分へのご褒美としてスナック菓子を常備しているのです。

私自身も自粛期間の数か月で菓子消費量の記録を更新してしまいました。過去10年間に私が消費したスナック菓子よりも、過去10か月の総量の方が多かったと誓って言えます。

表面上では、これらの数字はコナグラ・ブランズ(NYSE:CAG)ゼネラル・ミルズ(NYSE:GIS)ケロッグ(NYSE:K)クラフト・ハインツ(Nasdaq:KHC)モンデリーズ・インターナショナル(Nasdaq:MDLZ)ペプシコ(Nasdaq:PEP)といったスナック食品大手企業に成功への甘い香りをもたらすはずです。

経済的にはそうなりました。 

しかし実際は、彼らの株のパフォーマンスは行き詰ってしまいました。

ペロトン社のランニングマシンに轢かれる投資家は常に我先にと新しくて大きなことに身を投じ、気を取られてしまうので、いくつかの素晴らしい会社が埋もれてしまう可能性があります。

過去数年にわたり、コナグラ・ブランズ、ゼネラル・ミルズ、ケロッグ、クラフト・ハインツ、モンデリーズ・インターナショナル、ペプシコは、形だけのリターンを支払っていました。

グループで最も利益があるのはゼネラル・ミルズとクラフト・ハインツですが、両社とも9%未満と他の在宅経済株と比べてもぱっとしないパフォーマンスとなっています。

また、同期間のナスダックのおよそ45%の利益やS&P 500の18%リターンからもかなり遅れを取っています。唯一ポジティブな重要情報は、最良パフォーマンスが基本的にこの1年のダウ平均株価のリターンと一致しているという点です。

一体何があったのでしょうか?

アメリカ人がたくさんのスナック菓子を買いこんでいるなら、なぜこれらのジャンクフードメーカーの株は、インドアフィットネス企業のペロトン(Nasdaq:PTON)よりも高く急騰しないのでしょうか?

熟考するための甘い配当簡単な答えは、株の数量と希薄化です。

ペプシコを例に取ってみましょう。

第3四半期は、生活必需品大手企業は180億9,000万ドルの売上高と発表しました。これは前年同月比で5.25%の増加になります。

私が個人的に気に入っているスナック菓子フリートスの他、チートス、ドリトス、レイズ、トスティ―トスなどが含まれる会社のフリトレーセグメントは、そのパフォーマンスで評価を受けました。人々は自粛期間中にナチョスに夢中になり、トスティ―トスでは2桁台の売上成長が見られました。しかし総じて、セグメント全体の売上は43億9,900万ドルにとどまり7%強の成長が見られるだけでした。

ペプシにとっては、やはり飲料が最大のセグメントのようです。

次はコナグラの状況を見てみましょう。

会社は先週、第2四半期の決算を発表しました。食品およびスナック菓子セグメントでは12.5%の大幅増で13億ドルの売上があったにも関わらず、会社全体の収益成長は6%増の30億ドルでした。

先の見通しでは、コナグラは第3四半期には6%から8%の収益成長を見込んでいます。

現在、これは予測を上回りましたが、報告書によれば株価は5.5%近く落ち込みました。

現時点では投資家からの成長の見通しは現実からかけ離れています。

しかし、良い知らせもあります。

この1年の間、これらの株は急騰する市場平均を下回っていましたが、彼らは大手企業です。私は投資家には常に、自分たちが消費しているものに注目するように提言してきました。そしてこれらの企業は、文字通り私たちの大好きな全てのスナック菓子を生産しているのです。

彼らが消えることはありません。彼ら自身もそれを分かっています。各社が妥当な配当利回りを供給しているのはそういった理由なのです。

コナグラ・ブランズ:3.26%

ゼネラル・ミルズ:3.52%

ケロッグ:3.74%

クラフト・ハインツ:4.71%

モンデリーズ・インターナショナル:2.18%

ペプシコ:2.87%

おそらく、テクノロジー、大麻、ステイホーム関連株やビットコインといった爆発的人気株の後なので、あなたのポートフォリオには、投資対象があり過ぎるかもしれません。

ワクチン接種がゆっくりと広がりつつあっても、いまだに40%以上のアメリカ人は自宅から仕事をしています。そしてスナック菓子を消費する習慣が変わるという確証はどこにもありません。

それはつまり、少し守りに入り、あなたのポートフォリオに有配株のスナック菓子メーカーを追加するチャンスがあるということです。

ハイリターンを願って。
マシュー・カー

Matthew Carr(マシュー・カー)

Oxford クラブ・ジャパンのチーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融業界で20年のキャリアを持つ。 企業の中ではある一定のサイクルで株価が上下する銘柄があると言われており、マシューの専門はそのサイクルを見つけ出すこと。 彼の専門領域は石油・ガスといった伝統的な産業から、AI、5Gといった最先端テクノロジーなど多岐にわたる。 マシューの記事一覧 ≫

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