米国配当株投資

12%の配当利回りに惑わされるな!:10年間で10回目の減配はあり得るのか?

所要時間: 3分.

この記事のポイント

  1. 配当利回り12%の魅力的なREIT

  2. 高配当の裏に隠された真実

  3. 10回目の減配の可能性はあるのか?その評価は…


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今年2月に、分析リクエストの多かったアナリー・キャピタル・マネジメント (NYSE : NLY)の配当の安全性を分析しました。

(注釈:アナリー・キャピタル・マネジメントは不動産関連投資のポートフォリオを所有・管理・融資する会社。不動産には直接投資せず、モーゲージ(不動産担保ローン)などの不動産証券に投資して収益を上げるタイプの米国REITです。「モーゲージREIT」と呼ばれます。)

当時私は「配当として支払う分より多い純収益を上げることができることが明らかになるまでは、配当安全性をFランクとせざるを得ない」と言いました。

実際に、数ヶ月後には、一株あたり0.25ドルだった四半期配当が、0.22ドルに下がりました。

(注釈:モーゲージREITは不動産証券化商品の利回りと調達金利の金利差が収益となります。)

今年2月の時点では、同社の2020年の純利益は17億7,000万ドルと予想されていました。純利益は短期のお金を借りて、不動産担保ローンなどを長期的に貸すことで稼ぐお金のようなものです。

(注釈:モーゲージREITは、所有している不動産証券を担保に短期の資金を借りて別の不動産証券を購入します。その不動産証券を担保に、また短期の資金を借りて、前に借りた資金を返済するとともに、別の不動産証券を購入します。借入金利は短期なので安く、不動産証券は長期の貸付なので金利が高いため、金利差が収益になる仕組みです。)

予想通りであれば14億3,000万ドルの配当がカバーできるはずでした。

現在、アナリーの純利益は今年2月の半分ほどになると予測されています。同社は9億5500ドルしか純利益を上げられそうにないのに、配当支払いは12億8,000万ドルです。

それは配当安全性にはマイナスになります。

アナリーが第2四半期で配当を下げたので、配当予想は低くなりました。

これは年間の純利益を表したグラフです。これを見れば、プロのアナリストでなくても、この会社と配当が良い方向へ向かっていないことくらいわかります。

配当を維持するために必要なことは何だってする、というような会社も中にはあります。困難な時期でも、現金をかき集めたり、借金を増やしたりします。株主にそれまでと同じか、あるいはそれ以上の配当を支払うためにはできることを何でもする会社はあります。

でも、アナリーはそういった会社の一つではありません。

2011年以来、9回も減配してきています。実際、配当は2011年から66%も下がって、株価も56%下落しました。

現在の株価から算出される年間配当りまわり12%だけから判断すると、一株0.22ドルの四半期配当は魅力的に聞こえるかもしれません。

しかし、配当が0.22ドルのままに止まる確率は、ドナルド・トランプとナンシー・ペロシが永遠の親友になって、毎週日曜日の午後に一緒にピクニックを楽しむ確率とほぼ同じです。

アナリーは一年以内にまた配当を下げる確率が高いでしょう。

配当安全性レーティング: F

良い投資を
マーク


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

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Marc Lichtenfeld(マーク・リクテンフェルド)

Oxford Club チーフ・インカム・ストラテジスト。ウォール・ストリートを含め25年の経験のある配当投資の専門家。「Get Rich with Dividends(邦題:日本人の知らない秘密の収入源 年100回配当投資術)」著者。2013年に配当投資の専門誌Oxfordインカム・レターを創刊し、世界中に読者を持ち有料購読者は8万人を超える。FOX、CNBC、Forbesなどの有名メディアはもちろん、BloombergやBarrons、The Wall Street Journalといった権威ある金融専門メディアにも多数出演。 マークの記事一覧 ≫

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