米国株入門

ほとんど知られていない米国株の秘密:米国株式市場の裏側を覗く

所要時間: 10分.

この記事のポイント

  1. 米国株が日本株と違って上がりやすいのは、株式資本主義が浸透しているから

  2. 株価下落は「米国国民の金融資産減少」、株価上昇は「金融資産増加」となる

  3. 労働者が年金基金を通じて、実質的に米国企業の所有者に


株価は経済に密接に関係し、経済の基礎は人口と密接に関係しています。米国株が上昇しやすいのは、日本と違い人口が堅調に増加しているからだと分かりました。

これだけでも米国株の上昇の理由として納得できる部分でしょう。他にも、米国株が日本株と違って上がりやすいのには理由があります。例えば、「株式資本主義が浸透している」ということがあります。これがもとになり、米国の中央銀行であるFRB(連邦準備理事会)や企業は、株価を維持したり上げたりすることに必死だという背景もあります。



株価下落は米国の死を意味する


なぜなら、「株価下落は米国の死」を意味するといっても過言ではないからです。米国は日本と違い、個人の金融資産に占める現預金の割合が低いというデータがあります。日本は50%以上であるのに対し、米国は15%程度と言われています。

また、株式と投資信託の割合は、日本が15%程度であるのに対し、米国は50%近いです。つまり、米国では、株価下落は「米国国民の金融資産を減少」になり「不幸」につながり、株価上昇は「金融資産の増加」になり「幸せ」につながると考えられます。

他にも、米国は経営者よりも株主が重んじられる風潮なので、株主の利益を考えると「株価の維持・上昇」は是が非でもしたいという理由があります。また、経営陣はストックオプションとして株式を保有していることが多いので、株価下落は、自分の報酬を下げることになります。反対に、株価上昇は自分の報酬を上げることにつながります。だかこそ、必死に株価を上昇させようとするのでしょう。



株価を上げなければならない?


あまりよい例えではありませんが、これが背景となり、大型の粉飾決算の事件が起きたとも言われています。なぜ、粉飾してでも決算をよく見せようとするのかと言えば、単によく見せたいというよりも「株価を上げなければ死を意味する」と言っても過言ではないからでしょう。このように、米国株は「株価を上げなければならない思惑」も働くことで、上昇を続けているのでしょう。

ですが、多くの人が見落としている「ほとんど知られていない米国株の秘密」が、もう一段深いところにあります。実は、それをあのドラッカーが提唱していました。



年金が米国経済を支配


あの20世紀を代表する経営学者のピーター・ドラッカーは、1976年に『見えざる革命ー年金が経済を支配するー』という本を出しました。




ドラッカーにしては珍しく経営に直結する内容でなく「米国経済」に関する著書です。ドラッカーは、1976年には、すでに米国の年金基金が全産業の株式の「3分の1以上」を所有する実態を「見えざる革命」と表現しました。これは、労働者が年金基金を通じて、実質的に米国企業の所有者になったということを意味します。

ドラッカーは、年金基金を介しているので直接的には見えにくいが、企業の支配がいつの間にか「資本家」から「労働者」に入れ替わったことを、この「見えざる革命」という言葉で提唱しました。



ほとんど知られていない米国株の秘密


そして、この年金基金が米国経済を支配することで、さらにもう一つの革命を起こしました。それが、巨大な年金基金が1980~1990年代に引き起こした革命です。企業年金プラン「401(k)」が誕生し、年金基金の影響力は大きくなりました。また、この401(k)は当初、任意加入でしたが、2006年には特に拒否しなければ、401(k)に自動加入する制度に法改正されました。

つまり、これが米国株が上昇しなければならない最大の理由と言えるでしょう。国民の多くがこの年金基金に加入することになりました。もし、米国株が上昇しなければ、彼らは損をして将来の資金を失うことになります。そうなれば、米国は明るい将来を描くのは非常に難しくなるでしょう。

反対に言えば、米国は株価が上昇していれば、資産運用が成功し、多くの国民が明るい将来を描くことができると言えるでしょう。まさにこれが米国株式市場のあり方を変える大きな要因だと言えるでしょう。しかしながら、この事実は日本ではあまり知られていない事実です。むしろ、リーマン・ショックなど暴落のほうが印象が強く、実際は上がり続けていることは、あまり知られていません。



これは官製相場か?


また、株価が上がり続ける背景には、このように「官製相場(意図的に作られた相場)」とも言えることがあるのは、ほとんど知られていない秘密でしょう。少なくとも、今の米国株はこのような要因があるので、株価が下がることは許されないと言っても良いでしょう。

よって、不思議な話ですが、米国株は日本株と違う背景があるので、上昇しやすい傾向があるといえるでしょう。ニワトリと卵の関係かもしれませんが、こういった背景に加えて、経済の基本である人口増加を移民政策をとってでも成し遂げ、国として株価を上げ続けているのでしょう。 その結果、下記のグラフのように米国株は、堅調に上昇しているのでしょう。



また、10年間でたった3年しか下落傾向がないとも、下の表から分かります。



このように、米国は定性的な面と定量的な面の両方が上手く作用し、株価が上昇しやすい傾向があります。一方、日本は経済の基本となる人口が減少しているうえ、米国ほど企業は株価を維持・上昇させなければならないという風潮は少ないでしょう。それを考慮すると、あなたは米国株と日本株のどちらに投資するのが、3000万円を貯金するに適しているでしょうか?



さらに配当金の日米差が…


もしあなたが株主になると、企業から株主への利益の還元として「配当金」が支払われます。日本株は、この配当金が1株あたりに平均2%と言われています。つまり、株価が10,000円なら200円…1,000円なら20円…100円なら2円…と計算できます。これはあなたにとって魅力的でしょうか?しかも、年に1~2回支払われます。銘柄によっては支払われないこともあります。

一方、米国株はどうでしょうか?この配当金も状況が全く違います。四半期ごとに配当が行われるので、年に4回が通常です。そして、4%以上の配当を出す「配当貴族」と言われる銘柄もゴロゴロしています。中には、10%をこえるものもあります。他にも、もっと極端ともいえる配当を出す銘柄もあります。



このように日本株と米国株では、配当金に大きな違いがあります。それに加えて、これまでお伝えした米国の背景や株価推移の傾向があります。これらを考慮すると、あなたは米国株と日本株のどちらに投資するのが、資産運用に適しているでしょうか?



あなたの選択は?


ここまでの話をお聞きになり、あなたは貯金を増やすのに、どのような選択をするか、もうお決まりでしょう。定期預金は、シミュレーション結果の通り、いつ貯金が増えるか分かりません…日本の投資信託は、金融庁が「投資に見合ったリターンがない」と報告書を出しています。そうなると、残りは「日本株」への投資でしょうか? ここで、元金融庁長官の森氏の言葉を紹介します。


森長官が信頼を寄せる資産運用のプロは、
「自分のお金で運用をすると、どうしても『この辺で良いかな』という感情に流され、パフォーマンスが十分とはいえない結果になる。我々のようなプロでもだ。ましてや一般の個人投資家がめまぐるしく変転する相場の状況を常に的確に読み切って、行動するのは不可能に近い。であるならば、相場を読もうとするのではなく、毎月決まった投資を続ける分散投資で、リスクと時間を分散しながら運用していくのが正しい」
と、かたった。

『捨てられる銀行2非産運用』(講談社現代新書)pp276-277

ポイントは、

「一般の個人投資家がめまぐるしく変転する相場の状況を常に的確に読み切って、行動するのは不可能に近い。」

「相場を読もうとするのではなく、毎月決まった投資を続ける分散投資で、リスクと時間を分散しながら運用していくのが正しい」

という2点でしょう。

日本株は、まさに「変転する相場の状況を常に的確に読み切って、行動しなければ」利益を上げることが難しい市場だと考えられます。というとは、2点目の相場を読まずに毎月決まった投資を続けるのは非常に困難でしょう。だから、この金融のプロ元金融庁長官の森氏の言葉からすると、日本株の選択は考えにくいでしょう。

一方、米国株は今も高値を更新し続け、上昇する傾向にあります。多少のアップダウンはありますが、基本的には上昇基調なので、日本株よりは目まぐるしく変転することは少ないと考えられます。また、日本株と違い、米国株は「配当金」制度が確立されているので、株価上昇の利益だけでなく、安定的に配当金の利益を得ることが可能です。

仮に、その配当金を複利運用し、更に持ち株数を増やすことができれば、それはどんどんあなたの貯金が増えて行くことを意味するでしょう。これを考慮すると、私たちが選択すべき道は、もうお決まりでしょう。あとは、あなたの行動次第です。ぜひ、今すぐ行動しましょう。


いかがでしたか?
少しでもこのアメリカの強い株が「いいな」と思ったら1株からでもいいので買ってみてください。(アメリカの株は日本と違って1株から買うことができます。)

ちなみに…このブログで紹介している株はもちろんいいのですが、それよりもたくさんの配当を出す企業ばかりを集めて、毎月レポートしてくれて…「買い」「売り」の具体的なアクションをあなたへお届けする、「Oxford インカム・レター」はこちらからお試しすることができます。

Oxford インカム・レターをお試しする

これは、10年間平均で12%の複利成長…6年で資産2倍を狙う「配当投資」戦略です。私たちOxford クラブが軸にしている「資産形成ピラミッド」の第一段目に当たる保守的な投資のポートフォリオです。

もし、「これから資産形成をやってみようとは思っているけど、何から始めたらいいかわからない…」と思ったら、お試ししてみてください。30日間返金保証付きなので安心してお試し購読できます。

Oxford Club Japan(オックスフォードクラブ・ジャパン)

The Oxford Clubの正式日本版サービスとして、「投資元本に触らずに配当だけで生活できるようになる」「更に大きな富を築く」を目的に、本場米国の個人投資家向けの情報を日本の投資家向けにお届けしています。

関連する記事

Back to top button