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最大のミス

数日前、金融ライターで元資産管理運用者のチャールズ・ミズラヒ氏が自身のポッドキャスト番組「ザ・チャールズ・ミズラヒ・ショー」向けに1時間かけて私のインタビューをしてくれました。

質問の多くは私の経歴や経験、投資方法に関するものでしたが、その中でも特に考えさせられた質問はこれでした。

「ほとんどの投資家が間違えることを一つ挙げるとしたら、何だと思われますか?」

私は「システムを守らないこと」と即答しました。つまり彼らは、購入する銘柄に対しても、売り時に対しても何の基準もないのです。

その結果、多くのトレーダーや投資家は市況や自分の希望、欲、恐怖などの感情に翻弄され、経験から得た勘で判断することになるのです。

かくして多くのトレーダーや投資家、特に初心者にとって実証済みのシステムを持たず取引することは、かなりの不利となります。

しかしよくよく考えてみると、彼らの最大のミスはそれではないかもしれません。

多くの投資家が最も犯しやすいミスは、市場から感情を切り離すことができないことです。

投資家は市場が盛り上がっている時には過剰に興奮し、下がっている時には過剰に怯える傾向があり、それは時として気が滅入ることでしょう。

もちろんこういった感情を味わうのはごく自然なことです。結局のところ、リアルにお金が動く話をしているのですから。

例えば毎日市場終了時になるとあなたの家の前に現金輸送車が停まり、警備員がその日の市場での含み益として何十袋もの現金をリビングに運び込んできたら、どんな気持ちになるでしょうか。

また翌日になると同じ車がやってきて、含み損としてその袋のほとんどを運び去ってしまったらどうでしょうか?

これが毎週毎月続けば、自分のお金がどうなっているのか心配になるかもしれません。

熟練したポーカープレイヤーでさえ、一晩のうちにチップが積み上げられては消えるという経験を繰り返していると、感情は動きます。

ただし私たちにとっての投資は、老後の蓄えです。少額をポーカーに掛けて遊んでいるわけではありません。だからファイナンシャルアドバイザーによっては「ポートフォリオを頻繁に見ないように」、あるいは「見たとしても感情的にならないように」とアドバイスするのです。

しかし私に言わせれば、それは難しいでしょう。

私は毎日ポートフォリオを見ていますし、ほとんどの読者もそうだと思います。

大幅な上昇があった日には興奮し、大幅な下落があった日には虚しくなります。

このような感情を避けることはできません。私たちは人間であり、自動的に売買を行うロボットではないのですから。

しかし自己鍛錬ができる投資家と、最悪のタイミングで失敗してしまう投資家の間には、明確な違いがあります。良い投資家も悪い投資家も感情を動かされます。

しかし良い投資家は、あえて市場の動きの逆を捉えようとするケース以外では、感情に突き動かされて行動するようなことはしません。例えば2020年の3月頃がそうでしたが、コロナで市場が下落しすぎたと感じた時は、割安株を見つけるチャンスだということもあり得ます。

とはいえそのチャンスをモノにできるのは、自分がそのチャンスを利用しようとする意志があるからです。これには、先を見通す力が必要不可欠です。

成功している投資家たちは、問題や挫折をすべて回避したり予測するのは不可能だと理解しています。

ただ彼らは同時に、リスク分散されたポートフォリオを持っていれば、暴落に耐えるだけでなく長期的に大きな資産を築くことができるという信念も持っています。

確かにビジネスや経済についてある程度は理解しておく必要がありますし、人間心理についても少しは知識があった方がいいです。その上で実証済みの仕組みを使うべきです。

投資で成功するための最大のポイントは感情です。

それを正しく理解すれば、投資ゲームの残りの部分はそんなに難しくありません。

良い投資を。

アレックス

Alexander Green(アレクサンダー・グリーン)

Oxford Club チーフ・インベストメント・ストラテジスト。金融・投資関係の4冊のベストセラーの著者で、40年のキャリアがある。米国で金融・投資のニュースレターであるOxfordキャピタル・レターを20年以上執筆しており、ハルバート・ファイナンシャル・ダイジェスト社はこのニュースレターをここ10年以上もの間、最もパフォーマンスの高い投資ニュースレター・ベストテンに選出している。 アレックスの記事一覧 ≫

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