FIRE

【特集 FIRE③】経済的自立まで何年必要?

投資からの配当だけで暮らすまで、ゴールは遠いなと感じる場合であっても、『サイドFIRE』をまずは目指すなどすると、仕事と私生活のバランス(ワークライフバランス)を取りやすいのでは?と思います。

その実現のため、例えば年250万円を投資からの収入で賄うと仮定すると、どのように投資をしていったら良いのか、考えていきたいと思います。

Oxfordインカム・レターでご案内しているポートフォリオは主に3つありますが、その中には、10年間で11%の年利回りを目指すものと12%の年平均総リターンを目指すものがあります。

これは、資産形成(ウェルス)ピラミッド™️でいうと、1段目のベーシックな『保守的なポートフォリオ』に関する数値です。

年間10%の利回りと聞いてあなたはどう感じますか?

バブル崩壊後の残影を引きずっている人や日本株に投資してきた人にとっては違和感がおありかもしれませんが、昨今の日本株の好調を見ている人にとっては普通の数値なのではないでしょうか。

また、米国株においては普通の数字ともいえます。

長期的なS&P500株価指数の年平均リターンは7%台と言われますが、例えば、リーマンショックにおける株価下落が底打たず下落途中にあった2009年初から2020年末まで12年間、S&P500株価指数に投資した場合の年平均リターンは、ドル建てで12.6%です。そして、円建て換算では13.8%となります。

もちろん常に株価が安い時に仕込めるというわけではないですが、試算において、年10%台の資産成長は、念頭においても違和感のない数値と思います。

また、米国では3%台と想定したインフレ率については、デフレから脱却できない日本のインフレ率はマイナスであることも多く、2009年以降の数値を使うと、単純平均で0.27%です(国際通貨基金の数値などを使用)。この先も、しばらく0%台のインフレ率が想定されています。

これらを踏まえ、仮に年間で10%のリターンを得るという前提に立った場合、250万円の年間収入を得るために必要な試算は2500万円です。

つまり、FIREの一般的な定義では1億円を目安に、等と言われますが、2500万円あれば、経済的自立の実現がある程度出来るのです。

いやいや、今、手元に株式投資に2500万円も回せる資金が無い、という方も多くいると思います。

ですが、500万円くらいであれば、株式投資に回すお金があるという方はおられるのではないでしょうか?

数値はある程度保守的に考え、仮に

    • 500万円を元手に投資をはじめ、
    • 毎月10万円ずつ、追加投資して、
    • 年利10%を前提に月利0.83%程度で回し、
    • 配当を年に2%受け取り、
    • それらを複利運用した場合、

何年で2500万円に到達するでしょう?

表計算ソフトで計算すると、7年2ヶ月で2500万円を超えます。

たった7年ですよ!

(年を重ねてきたので、7年前が昨日のことのように感じます^^)

500万円でなく300万円の元手で始めたとしても、その他が同条件であれば、8年7ヶ月で2500万円を超えます。

もちろん、経済や株価の状況は流動的ですから、これよりも早いペースで達成することも十分あるし、反対に少し想定よりも時間がかかるケースもあるでしょう。

ですが、着手して、軌道に乗せることさえできれば、3段目まである資産形成(ウェルス)ピラミッドの1段目を使うだけでも、見通しが立ちやすい数字であると言えるのではないでしょうか?

10年かけて、経済的自立を手に入れ、今よりもさらにワークライフバランスを改善させる。

そういった視点で、Oxfordインカム・レターを活用されると良いことがあるかもしれません。

良い投資を!

志村 暢彦

Oxford Club Japan チーフ・ストラテジスト 助言統括者。金融業界歴24年。業界経験としてはファンドマネージャーとしての期間が最も長い。2019年Oxford Clubチーフ・ストラテジストに就任。日ごろより、金融力は国力そのものであると考えおり、金融業界の心臓部や裏側で働き、政官財を含め、日本の金融の実態を見てきた経験をもとに、日本の金融リテラシー向上と、個人の理想的な資産形成の実現について、情報の収集と発信をしている。 著者の記事一覧 ≫
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